れーこの叫び                 

負け運・・・?




人には運があるそうな
それが どーゆー性質の運か
人によっても 違うだろうが


じゅんじさんは 観戦すると
応援する人なりチームなりの運を下げるらしい


と、固く本人が信じているから
私は慰める気にもならないが
そーー言えば 昔 こんなことがあった




運動神経ゼロのれーこと
運動があまり得意ではないじゅんじから
遺伝子をもらったムスメは
そりゃあそりゃあ
・・・・・・・見事な運動音痴ぶりた
でも、しょうがないよね
遺伝子だもの
もう少ししたら体育の時間の
うまい誤魔化し方を伝授しようと
心で思っていた、れーこだった
そんなある日のこと
にこにこしながら娘が言った
「ミニバスに入る」
ミニバスとは小学校で活動している
バスケットチームで地域の町内ごとに
チームが構成されている
どうやら、近所のおねーさんに誘われたようだ

そうした活動にはれーこは心広い方だ
よっぽどでなければ いいよおという
けどなあ
人には向き不向きがあるんじゃないかい
遺伝子には逆らえないと思うけどなあ

でもムスメに運動音痴は直らないんだよとはいえず
「・・・わかった」といった小学3年生


そして月日は流れ小学6年生
ムスメはうまくなったか
いいや、やはり遺伝子には逆らえなかったのさ
それでも ずっと続けているのには感心だった
小さなうちはできなくで当たり前だったことが
高学年でははっきりと差がついてくる
もう自分も自分が下手だとわかってくる
そして監督は根はやさしいが
どぶとい声でいかつい顔したこわもての監督で
練習のたびに怒声が飛ぶ
「そうじゃない6番!!」
「何度言ったらわかる6番!!」
「もっと早くだ6番!!」
ああ、立派なスポ根物語ぢゃ
これでめきめき上達したら物語だけど
あいにくちっともできるようにはならなかった
5年の終わりに辞めたいと言い出した
自分がチームを下げているという
でもここで辞めさせては悪い思い出だけが残る
「ダメ」と母は無情にいった
ホントは根性なんて大嫌いだから
やめてもいいけどムスメのこれまでは
どこへ行くんだろう
と、珍しく思ったんだ


じゅんじさんは一度練習をのぞきに来て
罵倒されるムスメが見ていられないと
家に泣きかえった
よくおまえは見てられるな、冷たいなあ
と、言っていたが
言われて一番つらいのはムスメだ
でもそこで耐えて頑張っているのもムスメだ
だからムスメが泣いていようが、
罵倒されて固まっていようが
そこにいるならば、同じように罵倒の言葉を受け止め
その場に踏ん張るのが愛じゃないか
見たくないと、家に帰るのはなんだかなあ
それに監督が言っていることは正しい


まあ、それだけしごかれて
いよいよ試合があった
ムスメは6年生だからレギュラー
他の6年はうまい子ばっかり
ああ、がんばれよ、ムスメ、辛いけど

そしたら、その年は監督のしごきの成果が出たのか
ほかの子たちがうまいのか
決勝までいくではないの
もちろん監督の「6番~~!!」の声はあるけれど
あの子も今までとは誓うムスメになっていた
うまい子よりは遅いけれどできることを
あきらめずに集中してプレーしている姿には成長を感じたなあ
それは 罵倒を一緒に聞いてきたからこその感慨があるのだと思う
泣いて家に帰らずによかった

それでも勝ちそうな雰囲気だから
その瞬間だけでも旦那に見せようと家に電話した
「かちそうだよ、ムスメ頑張っているよ,見に来れば!」
「監督、怒鳴ってない、大丈夫?」
「それでもムスメががんばっているんだよ」
そしてじゅんじは来た


そしたら
あ~~んなに勝っていたうちのチームが
あれよあれよとミス連発
「なにやっとんだあ~~~」の監督
そして逆転
そして、無情のタイムアップの笛

あああああああああああ~~~~~~~~~~~

たくさんの溜息、なく娘たち

横を見ると「おれのせいで・・・」と呟くじゅんじ
自分が見ると負けるジンクスがあるから
今回も見に来たら負け始めたからそうなんだ
と、おっしゃる

実際負けているから私は
何とも言えず 苦笑いをするしかなかった


秋にリベンジを賭けた大会
夏の監督は増して鬼監督となり
泣き出す子続出、もちろんうちも
それでも 練習は皆続け
見事優勝を果たした
その試合は、
「絶対に行かない」と言い張ったじゅんじだった
前歴があるから私も来いとは言えず
無言ででも目が
「来なくていいよ」を言っていたのだった



おかげさまで卒業の時監督に
「どうしようと、思った子でしたが必死で役割を果たしてくれました」
と、いわれて滅多に泣かない子がポロポロっと泣いて
照れくさそうにした顔が宝物だと思った
あの時辞めなくてよかったなあ



まあ、
その陰には負け神を背負ったじゅんじの
涙の自粛があったのであった


愛するドラゴンズのために観戦を自粛するじゅんじ
いっそ統計をとって決着をつけたらと
おもうれーこだった

じゅんじのボヤキを見る