れーこの叫び
ボヤキと叫びのバックナンバーから
名作をまとめて 本にしました
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れーこ、借りをつくる

所沢にはところざわまつりというものがある
今年は10月9日にあった
今年のれーこは
中学支部長、お囃子お世話役、の
W当たり年
祭りの日はどうしたってせわしいのだ
それにプラス
じゅんじさんが似顔絵かきを出店すると言うので
道具をはこんだり、様子を見に行ったり、
それに加え
所小コーナーという役員古巣みたいなコーナーもあって
手伝いたいのは山々で
少しの時間を割くことになる

要するにあちこちにいい顔をしたいのだ、私は

よく、「そんなにたくさんできるの?」
といわれるが、そう言われるといわれるほど
「できるように、するの!!」と意地になる
これがいけないんだろうなあ
ギリ女の意地というか、限界に挑戦的なことをしようとする
まあ、頼むところは頼むし
任せるところは任せるけどね
とりあえず、終わるように調整役はしようと思うのだ
でもやると必ず、自分の器にげんなりするのだけれど




さてさて今回
どうしたって最重要課題は中学支部の仕事におかれる
じゅんじさんは自分でどうにかするだろうし
コーナーはゲストの身分だし
お囃子はWお世話役でもう一人いるから
私がいなうてもどうにかなるだろう
私の働く分はムスメに任せよう
そして私はついつい
「私がいないときはうちの子どもをこきつかってください」
お囃子の人に言い残して中学支部の仕事に走った

ついでに言うならムスコがつまらないことで愚痴を言い
それを私が言い返し親子ケンカになり
ちょ~~機嫌が悪いのをお囃子に預けて行った
後はどうにでもなりやがれ






そして、ピーヒャラピーヒャラ日は暮れて
どうにかこうにか中学支部の御役目をこなし
お囃子に戻ればムスコが踊っている
いや面をつけているから始めムスコとは気がつかず
ボケっとみていたが
あまりの頸の細さにそうかなと確かめてみりゃそうだよと言われる

何しろ私は運動会でもどこでも
集団に子どもが混じってしまうと
も~~う、見つけられない
すぐ見つけられるお母さんが不思議でしょうがない
「自分の子供ならオーラがあるじゃない」とおっしゃる方もあるが
ぜんぜんわかんない
それに加え祭りの当日はここ数年役目が絶え間なくあり
子どもの乗ってる山車にちゃんと付けなかったので
踊っている姿を見るのは何年振りか
なんだ、意外と踊れるじゃん

そういえばムスコがすご~~く小さい頃
ところざわまつりでもどこにいるかわかんなくなったことがあった
そのときも私は小学校の役員で指示することが山のようにあって
子どもどころではなく
基本的にチビはじゅんじさんがみてるもんだと思っていたが
じゅんじさんはじゅんじさんで母親が気を配っているだろうと思っていたらしい
しかし私は考えないときは、コレポッチも子どものことは頭にない
いないとわかっても役目の方は他の人に頼めない
ひと段落してから探したのだが
後々この対応で
「いない時点ですぐ探すだろ、ふつう、役目なんて頼みゃいいだろ」
とじゅんじさんにせめられることになる
まあ、そうだけどその時最重要課題はその役目で
子どもはじゅんじとおもっていたからなあ
それにところざわならどこかで見つかると思ったし
すぐそこで動くのと15分後に動くのと大して変わらないと正直その時思った
それをつめたいというのだ、じゅんじさんは、
「もしこどもがその間に死んでいても、役目だからしょうがないというんだね」といわれた
死ぬまでいわなくても、と思うが、悪いことが起きなかったから言えるのだろう
けっきょく、町内のおじさんが面倒みてくれていて、おおごとじゃなかったけどね

まあ、そんなこんなで
祭りのとき子どもはお囃子の人にかわいがって見てもらった
私はほとんど不在だった
なので久々に見て、
育ててもらったなあと実感するのであった


そして、その夜
ムスメ、ムスコの前に頭をたれてお叱りを受けるれーこの姿があった

「れーこが私の代わりになんて言ったから、
あれもこれもやらなきゃいけなくなって大変だったんだたらね」
「小さい子は大変だし、大人の人に使われるし」
「みんなが手伝ってくれたけど、ホントはれーこの仕事だよ」
「そーだよ、おれもやったんだよ、マジ大変だから」
「最初から最後まで、気ぃ張ってなきゃいけないし」
口々に言い立てるムスメムスコ
そうなんだよねえ
体を動かすことより、気ぃ張ってる方がしなきゃいけなくて疲れるんだよね
そこまでは頼まなかったが、気も使ったのね
えらいじゃん
「できないことはできないっていうの、役をひきうけないの」
あら、心配してくれるの
だから今年は中学支部役目があったんだよお
れーこの言い分も聞いてくれよお
それに他の人に頼んどいたし


でもさ、君たちを育ててもらった恩があるんだもの
できることはやんなくちゃいけないでしょ
ながれなんだから、仕方ないじゃん
「まあまあ、来年はちゃんと山車につけるから、ちゃんとお役目こなすから」
と、ありがとうごぜいますだとくりかえすれーこ

子どもに大きな借りをつくったれーこだが
まあ、二人は晴れ晴れとした顔で言い立てている
それなりに、役目をこなしたのだろう
みんな褒めてくれたし
世話を受けるほうから世話をする方へ少しは回れたのか
それが自分たちで解るのだろうか
ムスコに至ってはケンカのことも忘れているし


実際は子どもたちだけでまわせるはずもなく
もう一人のお世話役さんや、
他の親御さんにすご~~~くカバーしていただいた
いなくてすむお世話役の方が会がよく回っているという事だしね
と、いいように解釈しよう
でも子どもたちが動くのも見守っていただいて
やはり育ててもらっている日々であった

まあまあ育ったか
世間様、ありがたや

と、アップしようと思ったら
中学のムスコの担任から電話
学校で子どもっぽい下らない、でも他人様に迷惑をかけた話が来た
感心したらこれだ!!まったくもうくだらないたらない
やはり半人前
まだまだ 育ちやがれ!!
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