れーこの叫び
ボヤキと叫びのバックナンバーから
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そんなに嫌わなくたって・・・


おかげさまで
この春式が二つもあった
母は喜ばしくいそいそ着物を着て出かけて…・
の、パターンだったのだがあ
反抗期の子どもたちは違ったのだった

まずは卒業式
「着物着ないでね」と彼はさんざん言うのだ
まあまあ、照れちゃって、愛い奴よのう
と、度々ーーーンと構えていたのだ
で、あまりにしつこいから
「そんなにゆうとねえ、ど紫の着物で行っちゃうよん」
というとムスコはひるみ
「さわやかならいい」と譲歩してきた

ウうーーーーン爽やかねえ
ホントは脅したど紫で行きたかったのだが、
ああいった手前もう着るわけにはいかぬ
爽やかな着物・・・・
これにするかあ
水色の無地、おお、青空を髣髴するしなあ

大体そんなにくっついて歩くわけでも話すわけでもないじゃんよう
何をそんなにギャーギャー言うのやら
恥ずかしいとか、一人だけだとか、そんなのは理由にならん
じゃあ、宝塚見たいなドレスと着物とどっちがいいよと言ったらドレスと言った

今度ホントにドレスで行ってやろうか
イヤイヤさすがにそれは私がはずい
目立つ事をそんなに恐れるんだなあ

そして入学式
やはり大人しめにと象牙色の無地を着た
ほらほら、清楚でいいじゃないの、自画自賛

行く道道
「もうやだ、もうやだ」の連発
おまけに駐輪場の入れ場所が上段だったので
文句タラタラ、こんなのできないよとなった
「女の私にできたんだから、できるでしょ」
「おかアは女じゃない」
ぶち切れた私は「ぐだぐだいわずにこうやるのよ!!!」
着物を着ていても、何だってできるわよ
ほいっと自転車を持ち上げ模範プレイをしてしまったのだった

帰り道みち、またまた「もうやだ」連発
あああああああ、うっとうしい

「わかった、もう行かない!!」
「へっつ!?」
「母はもう学校関係からすっぱりキッパリ手を引くからおとうにいってもらいなさい」
「・・・・」
「安心してもう絶対行かないから(-_-メ)」
「やだ、おとうはやだ、わかったよ、何着てもいいよ」

やれやれ

こんな思いまでして着物を着る意味はないのだけれど
母じゃなくれーこの主張かなあ
というと、れーこの式じゃないじゃんと突っ込む娘

そーなのよ、私の式じゃないけど、私の式なのよね
子どもが卒業という事は親も親になってからそれだけの年数を重ねてるわけで
その年月にけじめをつけてるからやはり特別にしなくては
それは私にとっては着物何だよね

それを被害被害と子ども二人揃って言わなくてもいいじゃん
分かってないなあ
こうやって子どもから卒業して行くのよ


後日談
次の日着物をしまおうと汚れをチェックしてたら
「なにこれ!!!!」
黒いはっきりした汚れが・・・・・
いつもは1回着たくらいじゃ洗わないがこれは・・・・
「油汚れかなあ」きもの屋さん
ああああ、自転車のチェーーーン

するんじゃなかった、奥様でいりゃよかったのに
だめなのよねえ、着物着てもなんでもしちゃうからねえ
しろと言われれば自転車だって乗ると思う

ホントにここまでしてなぜ着物を着ちゃうんだろう
私って…

※商店街で似顔絵をするとき着物を着るのは細々と続けている着付け屋さんのためのアピールなのじゃ
何で着てるのから、チラシを渡せるでしょ
所沢近辺の方々、お声掛けくださいまし


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